CT検査した事ありますか?

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健康に越したことはありませんがメンテナンスは機械や乗り物だけでなく人間にも必要です。
「痛くない注射針」や「鼻から通す内視鏡」など負担をかけずに検査できる機器類のおかげでかなりラクになりました。

一番よく聞く検査といえば「レントゲン」や「CT(MRI)」などの画像診断ではないでしょうか。
これらの検査なら痛みや苦痛は無いでしょう。(音はかなり大きいのは覚悟して)

全身の画像診断に使えるのと部位のみを細部・深部にまでいろいろな方向から診断できるのは凄いですよね。
骨・血管・筋肉などとそれぞれの観察ができるのは症状の特定には有効な方法でしょう。

CTを見てみると検体(患者さん…我々です)が横になる台が、ドーナツのような機械本体へと移動していくわけです。
この本体には「X線照射部」と反対側に「X線検出部」が対になって回転しています。
このユニットは一周一秒もかからずに回転しています、そのため音も大きく検査室内は空調をしっかりとしておく必要があります。
レールに沿って回転しているのですが本体にかかる移動時の振動などはうまく解消されています。
精密な機器類を使用し、X線照射をしながらの高速回転ではそういった衝撃(振動や摩擦)に対する技術も高度になります。

X線発生とは、高電圧の熱電子を加速させてターゲット金属にぶつける事でX線を発生させます。
熱電子をぶつけるターゲット金属は高温になりますので熱に強い「タングステン」を主に使用します。(融解点=3400度)
ただし熱電子からX線が発生されるのはわずかで、そのほとんどは熱となってしまいます。(高温になる理由)

そのX線を照射された検出部からはデータが収集されるのですがアンプや変換器などを介してコンピュータ部へと送られます。
画像データも「グレイスケールの調整」や「白黒のコントラスト調整」で検査後の診断を左右するので重要となります。
検査技師や医師はこの調整により病巣を発見したり特定したりしますので画像の調整技術も必要になります。

またこういった技術は驚異のスピードで進化ています。
CTも初期の頃は正転で一周して移動、逆転で一周して移動の繰り返しのタイプで検査にも時間がかかりました。

「ヘリカルCT」はらせん状に移動しながら撮影していきます。(一気に広範囲をスキャンできます)
これなら検査全体の時間短縮に繋がるので効率的で、検体への被爆も少なく負担も減ります。

「マルチスライスCT」では検出部の数を増やすことで一度で広範囲を観察できるようになりました。
320列配置という機種もあり、一度に16cm(0.25mm間隔)の撮影(0.35秒)が可能で造影剤の投与量も抑えられ人体への負担も減らせます。

「デュアルソースCT(DSCT)」は水平方向と垂直方向(90度)に向けてそれぞれ違う出力でX線照射をするCTです。
このCTでは造影剤注射時の血管の検査とその周りの造影剤を使用していない部位を一つの画像にすることができます。

進化のおかげによる「検査の時間短縮」「検査時の負担軽減」は患者側としてうれしいですよね。
医療従事者の方たちも、病巣などの大きさや場所の特定もしやすくなっているそうです。
精度の高い機器類の技術力も進化して「検査」~「診断」~「治療」から「すべて検査時に治療」という時代もやってくるのかもしれませんね。

※ 早期発見で完治させて、明るい将来設計を!! ※
「PET(陽電子放射断層撮影)」もガン特定には威力を発揮します。
これまで腫瘍として成長した「がん細胞」は発見できたのですが、わずかな大きさでは発見しづらかったのです。
検査液を注射して陽電子を照射することで「早期の小さながん細胞」が発見しやすくなります。
写った画像から探すのではなくがん細胞からの活動シグナルを発見することができるものです。
これによって早期発見・早期治療により「がんは治る」ものへと変わるのですね。