光電融合技術

光電融合技術(Optoelectronic Integration Technology)とは、光(フォトニクス)と電気(エレクトロニクス)を融合させて、より高速・高効率な情報処理や通信を実現する技術のことです。この技術は、次世代の通信、コンピューティング、センシング分野において重要な役割を果たしています。


🔧 光電融合技術の基本構成

  1. 光デバイス(フォトニクス)

    • レーザー、フォトディテクタ、変調器(モジュレータ)など

    • 光信号の生成・変換・伝送を担当

  2. 電気デバイス(エレクトロニクス)

    • トランジスタ、IC、FPGAなど

    • 信号処理、制御、メモリなどを担当

  3. 統合プラットフォーム

    • シリコンフォトニクス(Silicon Photonics)が代表的

    • 光と電気の回路を同一チップ上に集積


📡 主な応用分野

応用分野 内容
高速光通信 5G/6Gやデータセンター間通信での光信号処理
光コンピューティング 高速・低消費電力の演算処理(AI、量子計算)
センサー技術 LiDAR、バイオセンシング、距離計測など
ミリ波/テラヘルツ帯信号処理 高周波信号を光で処理して、広帯域通信に応用

🧠 メリットと課題

メリット:

  • 高速(GHz〜THz帯の信号に対応可能)

  • 低消費電力(電気信号よりも損失が少ない)

  • ノイズ耐性(光は電磁干渉を受けにくい)

課題:

  • デバイスの高精度な製造が必要

  • 発熱や放熱設計

  • コストや量産性


🧪 研究と産業動向(例)

  • インテルやIBM:シリコンフォトニクスによる光電融合チップを開発

  • NTT・NEC・富士通:光電融合を活用した次世代通信技術を研究

  • 大学研究:東京大学、東北大学、慶應義塾大学などが先進研究を実施

 

トップページ