撚糸と繊維の関係

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“撚糸”と聞いてもピン!とこない方も多いのではないでしょうか。
一般的に言う「繊維」は糸でできています、その糸は”撚糸”という工程を経てできています。

私たちの身の回りにある繊維は綿、羊毛や繭からできています、ただこの状態では「細く」「短い」ままの繊維なのです。
糸にするにはその短い繊維を撚り合わせて長く伸ばしていきます、この工程を一般に「紡績」(糸を紡ぐ)と言います。
しかしその伸ばした糸でも「繊維製品」の材料になるにはまだ「太さ」「長さ」「強度」などが足りません。
そこでこの糸を複数本撚り合わせて「繊維製品」の材料とするのが “撚糸” なのです。

製糸工場で防錆された糸を、
・そのまま撚っていく方法
・2本の糸を撚っていく方法
でまず基本の糸「片撚糸」が出来上がります。

この「片撚糸」に撚りをかけていくのが撚糸の工程です。
複数の「片撚糸」に右巻きの撚りをかけるたものを「S撚」、左巻きに撚りをかけたものを「Z撚」といいます。

「片撚糸」を複数本撚ったもの・・・諸撚り
「片撚糸」を撚った複数本の糸を用意してさらに逆方向に撚ったもの・・・駒撚り
軸となる糸に糸を巻き付けていく方法・・・カバリング
(巻き付ける糸が複数になれば「S撚」「Z撚」で交互に巻き付ける方法もあります。)
と、それぞれ呼ぶそうです。

ある工場にある大型の撚糸加工の機械では、200km/日の長さの糸を撚っていく事ができるそうです。(1台あたり)
さらに真空状況下で20~30分間、高温(約70~120度)で熱処理をしてアイロンのような効果で糸をねじれにくくさせる工程もあります。

いまネットでも人気の超高吸水性のタオルは、この撚糸の工程で水溶性の繊維を撚り込んでいく事でその性能を発揮しているそうです。
吸水性や吸湿性・保温性など高機能なものが多くなっていますが、衣服などは肌触りが一番気になるトコロでもあります。

最終的にできあがる製品の性能や性質も変わってきてしまうのですから「撚糸」というのは重要な工程なんですね。