企画から消費者のすぐそばまで「マーチャンダイザー」の仕事

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皆さんは「マーチャンダイジング」「マーチャンダイザー」をご存知でしょうか。

小売店や販売業などにおける商品展開、企画・提案・資材や商材手配・販売促進・レイアウトまでトータルに行う事(人)です。
今は製造業でもネット通販によるメーカーと個人の顧客様との取引が可能になっていますので、「個人のお客様も歓迎」「少量のロットでもOK」というHPも見かけます、また3Dプリンタを使用したフィギュア製作のサイトも好評だそうです。
こういった動きも一種の「製造業におけるマーチャンダイジング」ではないでしょうか。

決まった取引先との受注だけに特化していると、商品(製品)の企画からプロモーションまでだと手がかかるのでは?と思いますよね。
また製造業ともなると「消費者の声」とはちょっと縁遠いのでは?

*** 販売業を例に主な項目とポイントを見てみましょう。

・品質
同業他社の製品よりも高い品質を追求すればその分コストがかかります

・品揃え
ラインナップを充実させる事は消費者にとって選択肢が増えて集客に繋がる可能性はありますが、取引先の拡充や仕入れにかかるコストが負担になります。

・価格
価格を抑えれば消費者には好都合ですが、品質やアフターサービスなどへの影響を考慮すれば「安ければ良い」というものでもありません。

・サービス
各スタッフにサービス精神の向上を図るには、教育プログラムによる指導の徹底や意識の改革が必要になります。
機械(PC)とは違いプログラムされてできるものではなく、個人の能力と適性が大きく影響してきます。

上記の項目はごく一般的なスーパーやコンビニでも展開されている項目で、1つ1つの項目を見れば「当たり前」の事ですが全てをクリアするのは難しい事です。
アメリカの専門家によればこういった複数の項目全ての適合(クリア)は不可能だとされています。

そこで「マーチャンダイザー」といわれる方が顧客側のニーズを把握し、メーカーと原料・資材調達から関わり、販売する店舗などでのセールスや陳列などの展開を担うのです。

顧客のニーズ・メーカーのセールス・販売店での展開、などなどトータルに管理するのでそれぞれの立場も言い分も理解していなければなりません。
そういった取り組みは各メーカーや企業によるPB(プライベートブランド)商品の充実にも反映されています。
自社ブランドでのPB展開では、原材料や資材の見直しや過度な印刷を省いたり、流通コストを抑える事で「販売価格を安く」「他メーカーの商品とほぼ同品質」を実現できるようになっています。
稼働していない時間帯での製造をメーカーに依頼することでメーカー側では機械の時間稼働率向上に繋がり、人件費や製造コストの削減に貢献できるのも魅力でしょう。

これまでの営業戦略では、メーカー側や販売者側からの商品展開という一方通行になりがちです。
消費者側の細かいニーズ(ハイクオリティ・ロープライス・セーフティ[安全性])に応えられるようにする事で「消費者の囲い込み」を図れるのではないでしょうか。
また販売者側にとっても魅力ある商品の提案やアピールができれば、競合他社との差別化も図れる事になるでしょう。
品質・品揃え・価格・サービス…それぞれの連携をとることで総合的な向上に結び付けていけるのでしょう。