レアアースの必要性と今後

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現代社会には高度な通信・情報・交通などのインフラが整備され機器類も氾濫している状態です。
しかしこの機器類も無ければ困ったもので仕事も生活もできなくなりかねません。

どんなものでも作るには材料(資材)が必要になりますが、自国内での調達ができるものばかりなら良いのですが、日本という国には資源となるものが乏しいですね。
特に精密機器類(基板・部品・周辺機器)の製造などにはとても重要な「レアアース」は海外からの調達に頼るほかは無い状態です。

光学ドライブや医療用レーザー、超伝導にもレアアースは必要なものです。
LEDや蛍光灯には「イットリウム」「セリウム」「ユウロピウム」が、プリンタのヘッド部にも「ジスプロシウム」「テルビウム」が使用されています。
磁性体には「ネオジム」「サマリウム」などが超強力磁石として使用されています、特に電気自動車のモーター部には超高性能な磁石が必要になります。
「酸化セリウム」は液晶画面や半導体など上質な鏡面仕上げが必要な際に、仕上げ用の研磨材として使用されています。

電子配置が特徴的な「レアアース」を使用して他の元素に本来とは違う性質を発揮させたり、他の材料に加えることで機械的な性能を発揮するものもあります。

日本はこれら「レアアース(希土類)の輸入」を約90%以上も中国に頼っていました。
しかし2010年9月に尖閣諸島での漁船衝突事件、船長拿捕の報復としてレアアースの通関を遅滞させ「対日禁輸措置」に踏み切ったのもご存じでしょう。
しかし日本も「レアアース」だけに頼らないで同等の性能・性質を発揮する製品を開発、さらにリサイクル技術の向上によるストックの加速化、中国以外の国との取引きを進めました。
その成果か2012年には日本の「中国からのレアアース輸入」が以前の50%以下まで下落しました。
この結果中国のレアアース輸出量と輸出価格は急落、中国では推し進め過ぎた発掘による供給過剰も手伝い鉱山の閉山も起きています。

リサイクル・リメイクや代替部品(資材)での製品開発・製造はもう当たり前となるでしょう。
レアアース開発には十年単位の調査研究期間と、数百~数千億円という莫大な資金が必要になり、産出できる量や流通市場が少ないうえ価格の変動が激しいことはかなりのギャンブルとなりそうです。