使いこんでいくうちに味が出てくる「皮(革)製品」

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ペンケースやノートカバー、財布にバッグ類など古くなればなるほど「味が出て」愛着がわいてくる皮(革)製品。

「こだわり」を持った職人さんによる「製作・修繕」の技により、丈夫で長持ちするものが多いのも頷けます。

まず原料となる革ですが食用として処理された「牛・鹿・ヤギ」などの動物の革などを使用します。
使用するにはしっかりと洗浄します、その際には”毛”をしっかりと取るものと、”毛をそのまま活かす”やり方があります。
その後、言葉は聞いた事はあると思いますが、「なめし(鞣し)」の工程を行います。

「なめし」とは…
布のように破れる事なく、滑らかな手触りやツヤなどが出て、さらに使いこむことで味わいが出るようにするためにも重要な工程です。
この工程をしていない「革」は乾燥すると硬くなりボロボロになってしまう事もありますし、濡れた状態にさらしておくと腐ってしまう事もあります。
植物の「タンニン(渋味)」という成分を利用して革をなめすことで腐敗や(乾燥や湿気など気候による)劣化に強くしています。
現在では「タンニンなめし」と、塩基性硫酸クロム塩を使用した「クロムなめし」と「その両方を組み合わせたなめし」があります。

タンニンなめし・・・柔軟性は少なく固めの仕上がりが期待できるので革ケース・カバンに向いています
クロムなめし・・・柔軟性があり熱に強いものに仕上がります、バッグやアクセサリー小物などの製作に向いています
両方を組み合わせたなめし・・・「鹿」の革から作られるセーム皮が代表的です。
  ※ クルマの洗車の際に水をよく吸収する「合成セーム」はご存知でしょう。
   「本革のセーム革」は宝飾品の拭き上げなどにも使用されます、指紋などの皮脂汚れなどがサッと取れてツヤも出ます。

なめし工程を終えた「革」は、染めて乾かされ用途によって塗装されます。
塗装は表面に水分がついた場合、「水をある程度弾く」「水が染みこむ」のどちらかになります。
「水をある程度弾く」ものは色あせも少なく手入れも簡単です。
「水が染みこむ」ものは日光による色あせも敏感で手入れにも気を使いますが、その分経年による味わいは出てきます。

革製品はオーナーがどれだけ身近で使用してきたかが分かるものでしょう。
「新品でキラキラが最高」というのも分かりますが、長い間使って刻印の文字がかすれて見えなくなっているトコロなどが「味わい」なんですよね。

革製品(細工)は伝統的な製法で作られるものも多く、後継者不足の問題や需要の減少による作業所自体の閉鎖などいろいろとありますが、好きな人にはたまらない逸品は「しっかりと処理された材料」と「職人さんの手技」でしか作れませんよね。