インクの使用例と性能の進化

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パソコンの普及による紙媒体での印刷事業は低迷している様子ですが最近の新聞の広告や新聞紙自体のカラフルさには驚きますね。

紙の質やインクの発色・印刷の技術などによるものが大きいのではないでしょうか。
それぞれの印刷技術に合ったインクを使用している成果でもあります。

・インクによる可能方法の違い
インクに含まれている溶剤が印刷媒体に浸透してインク自体(顔料)が乾燥して被膜となる「浸透乾燥」
* 新聞紙など紙媒体への印刷時に使用されることが多い。

インクの溶剤と酸素が反応し、さらに熱による自然乾燥も加わった「酸化重合」という乾燥方法もあります。
(油性インクはこの酸化重合による乾燥方法です)
* これによく似た方法で、インクに含まれている溶剤が蒸発(揮発)して印刷媒体上に被膜となる「蒸発乾燥」もグラビア印刷などに使用されています。

今では紫外線の照射による「UV硬化型」という乾燥方法が身近に多く活躍しています。
モノマー・オリゴマー(*)を使用して紫外線照射により短時間(ほぼ瞬間)で乾燥させる方法です。
プラスチック製品、ペットボトル、缶など非吸収媒体(=プラスチックや金属など)への印刷に多用されています。
カラフルで瞬間乾燥ができ、媒体内に浸潤したりしないので裏写りしないのでデザイン的にも優れています。
食品や化粧品などのパッケージなど大量の印刷に対応できる事もメリットの一つです。(コストが高いのが難点です)
(*)モノマー:単体の重合基質で単量体、オリゴマー:モノマーの複数結合体、ポリマー:モノマーが数百個以上重合したもの

インク繋がりで「発色インク」をご紹介します、ポップな広告やとても大事な部分で活躍しているインクです。
これまでも「発色インク」はありましたが、ブラックライトを照射することで通常の照明下では見えないデザインが印刷できるようになりました。
RGB(光の3原色)の配合やインク自体の性能の向上により自然色に近い再現も可能になっています。

この技術により商品価値を上げたり、宣伝の効果(実際に目にする事でアピール度を上げる)も向上するのでは?
例えば、通常照明下で見えるデザイン(A)と、ブラックライト照射時に見えるデザイン(B)を一枚のパネルで表現できるので、時間帯でA・Bの切り替えができたりしてターゲットを絞った宣伝効果が期待できます。
スペースやコストの節約にも貢献できるのではないでしょうか。

この技術を活用してパスポート・クレジットカードの偽造防止にも一役買っています。

株式会社 SO-KEN (ソウケン)様のHP : インクでアピールする、情報を守る。ユニークな内容は目を惹きます。