噴霧乾燥装置

噴霧乾燥装置

噴霧乾燥装置(Spray Dryer)は、液体原料を細かい霧状にして熱風と接触させ、一瞬で水分を蒸発させて乾燥粉末にする装置です。食品、医薬品、化学品、セラミックスなど幅広い分野で使用されています。


🔧 基本構造と仕組み

  1. 供給部(フィードポンプ)
    液体原料をノズルまたはアトマイザー(霧化装置)に送る。

  2. 霧化部(ノズルまたは遠心アトマイザー)
    液体を細かい液滴(霧)に変える。

    • 圧力ノズル:高圧で霧化

    • 回転ディスク(遠心):高速回転で霧化

  3. 乾燥チャンバー
    霧状の原料が熱風(100~300℃程度)と接触し、水分が瞬時に蒸発。
    → 粒子が乾燥しながら落下。

  4. 分離・回収部(サイクロン・バグフィルターなど)
    空気と乾燥粉末を分離し、粉末を回収する。

  5. 排気部
    水分を含んだ排気を排出・処理。


✅ 特徴

特徴 内容
⏱ 高速乾燥 ミリ秒〜数秒で乾燥が完了
🌡 熱影響が少ない 液滴内部は冷却されるため、熱に弱い物質でも処理可能
📦 均一な粒径 微細で均一な粉末が得られる(条件による)
⚙️ 連続運転可能 大量生産に適している

🔬 用途例

  • 食品:ミルクパウダー、コーヒー、卵粉、スープ、酵母など

  • 医薬品:抗生物質、ワクチン原料、吸入用粉末薬など

  • 化学品:染料、顔料、触媒、樹脂、セラミック粉体など


📉 注意点・課題

  • 初期投資コストが高い

  • エネルギー消費が大きい

  • 装置が大型化しやすい

  • 吹き戻しや閉塞などの運転管理が必要


必要であれば、以下のような情報も詳しくお伝えできます:

  • 各種ノズルの選び方

  • 条件による粒径制御

  • 熱風の流れ(並流/向流/混流)の違い

  • 代表的なメーカーや装置例(大川原製作所、GEA、YAMATO など)

  • 実験室用と工業用の違い

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