噴霧乾燥装置
噴霧乾燥装置(Spray Dryer)は、液体原料を細かい霧状にして熱風と接触させ、一瞬で水分を蒸発させて乾燥粉末にする装置です。食品、医薬品、化学品、セラミックスなど幅広い分野で使用されています。
🔧 基本構造と仕組み
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供給部(フィードポンプ)
液体原料をノズルまたはアトマイザー(霧化装置)に送る。 -
霧化部(ノズルまたは遠心アトマイザー)
液体を細かい液滴(霧)に変える。-
圧力ノズル:高圧で霧化
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回転ディスク(遠心):高速回転で霧化
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乾燥チャンバー
霧状の原料が熱風(100~300℃程度)と接触し、水分が瞬時に蒸発。
→ 粒子が乾燥しながら落下。 -
分離・回収部(サイクロン・バグフィルターなど)
空気と乾燥粉末を分離し、粉末を回収する。 -
排気部
水分を含んだ排気を排出・処理。
✅ 特徴
特徴 | 内容 |
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⏱ 高速乾燥 | ミリ秒〜数秒で乾燥が完了 |
🌡 熱影響が少ない | 液滴内部は冷却されるため、熱に弱い物質でも処理可能 |
📦 均一な粒径 | 微細で均一な粉末が得られる(条件による) |
⚙️ 連続運転可能 | 大量生産に適している |
🔬 用途例
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食品:ミルクパウダー、コーヒー、卵粉、スープ、酵母など
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医薬品:抗生物質、ワクチン原料、吸入用粉末薬など
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化学品:染料、顔料、触媒、樹脂、セラミック粉体など
📉 注意点・課題
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初期投資コストが高い
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エネルギー消費が大きい
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装置が大型化しやすい
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吹き戻しや閉塞などの運転管理が必要
必要であれば、以下のような情報も詳しくお伝えできます:
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各種ノズルの選び方
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条件による粒径制御
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熱風の流れ(並流/向流/混流)の違い
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代表的なメーカーや装置例(大川原製作所、GEA、YAMATO など)
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実験室用と工業用の違い
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