江戸扇子は友禅の優美さを取り入れたお洒落なアイテム

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暑い日には浴衣で涼むのも風情があっていいですね。
男性・女性問わず和装での小物(アイテム)代表といえば「扇子」ではないでしょうか。

細部にまで仕事のしてあるこだわりの逸品を持っていたらお出かけの時にも最高ですね。

江戸時代の大阪の浮世草子(代表作:好色一代男)・人形浄瑠璃作者・俳諧師でもある”井原西鶴”は、
「友禅斎の扇子を持たなければお洒落とは言えない」と言っていたそうです。
その当時から江戸扇子には多くのファンがいて多くの友禅絵師も活躍していたそうです。

京都にある国宝「風神雷神図屏風」の作者「俵屋宗達」は扇絵師でもあったそうです。
この「俵屋宗達」の作風に傾倒した「尾形光琳」は扇・団扇の絵も手がけこの2人は扇絵の分野を確立したとも言われています。

扇子は竹を灰汁抜きなどの処理をし、「親骨」といわれる全体をまとめる太めのものと、繊細な薄さに加工した「中骨」を切り出します。
さらにその「親骨」「中骨」をまとめる「要(かなめ)」の部分、そして主に和紙で作られる「扇面」と言われる部分で構成されます。
最大の特徴として江戸扇子は「中骨」が15~25本と、京都風(約30本)のものに比べかなり本数が少なく作られています。

扇子の製造過程には約30もの工程があるそうですし、その各工程にもおさえておかねばならないポイントが多くあるそうで、技の習得には10年単位の修行が必要とのことです。
中でも和紙の間に骨を通す作業は閉じたときの和紙のまとまりが決まる工程だそうで、たたんだ際に折り目の揃わないものになってしまうそうです。

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写真 : 馴染みのある京都風の扇子、骨の部分が多いですよね。
京都風の扇子は分業された工程をそれぞれの職人さんが行います。
江戸扇子は一人の職人さんがほぼ全ての作業を行い完成させるというものだそうです。
(職人さんによっては「骨以外」「友禅のデザイン以外」という場合もあるそうですが…)

京都風のものに比べ骨の数が少ないので扇面のデザインの観賞も楽しめます。
また、骨が少ない分広げやすくパッと使える「粋」なトコロも暑い日には便利ですね。