アルミニウムを超精密加工 [ミズノマシナリー]

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** こだわりの仕事が信用を生む ***

「何か、人と変わっていたい」、ミズノマシナリーの仕事に対する“こだわり”は、すべて水野文政社長のこの一言から始まる。
油圧機器部品の製造とアルミニウムの精密加工が2本柱の、富山県富山市での注目企業です。

大半が北陸地域だった取引先も関東、関西、中部と徐々に広がってきました。

創業から油圧機器部品を主体に、工具を自社で開発することで難易度の高い加工を可能にしてきました。
特に内径が2-4ミリメートル程度のカートリッジバルブの精密旋盤加工を得意とし、その他にも焼き入れ材の旋盤加工やガントリーロボット付き複合NC旋盤による長時間無人化も可能にしました。
また、立型マシニングセンター(MC)などのラインを備え、円筒研磨・ホーニング加工・転造加工にも対応しています。

ただ、「油圧機器関連は好不況の波が激しく、次なる事業をずっと考えていた」(水野社長)と話している。
そして、1995年から始めたアルミ加工で波に乗ることに繋がるのです。
「アルミは柔らかく工具の摩耗が少ないのではないか」(同)との発想で取り組み始めましたが、柔らかいために傷が付きやすく扱いづらかった苦労もあったそうです。
「作業的にマイナスの部分もあるが、アルミ一筋でやってきたため、同じ工具で鉄や、ステンレス、銅などを削ることはなく、切粉も付かないし錆も発生しない。アルミのみを加工することで、仕上がりがきれいで管理もしやすかった。それが差別化につながった」(同)。
徐々に取引先も増え始め、2年後の97年に新たにアルミ事業部向けに工場を建設しました。

2011年3月には、ドイツ・カールツァイス社製のスキャニングプローブを搭載した大型3次元測定機を新規導入しました。
アジア諸国の製品に対抗するために加工精度など、品質をしっかり管理できるようになり信用も増したそうです。
同時に測定誤差を防ぐために、恒温の専用測定室を新たに設けました。
また、7月には同時5軸のマシニングセンターを購入し、かなり厚みのある加工対象物(ワーク)にも対応できるようになったそうです。

今は、半導体やスマートフォン(多機能携帯電話)向け液晶関連が売り上げの80%を占め、医療関係がそれに続く。
今後は、航空宇宙関連部品への進出も考えているそうで、「リーマンショック以降、生き残るための設備投資をどうしたらいいか考えるようになった。新規に工場を建設するのではなく、今ある工場内を整備すること。工程集約や効率のためにも、同時5軸マシニングセンターを増やし、顧客の厳しい要望にこたえていきたい」(同)と意気込んでいます。