機械式時計の技術

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現在では時計は電池(電気)で動き、クォーツ(デジタル)技術により正確に時を刻みます。
電波を利用して自分で時刻の修正まで出来る時代ですが、アナログで時を刻む機械式時計もなかなか味がありますよ。

ゼンマイを巻き、微かに「チチチチチ…」と音を立ててスーッと動く秒針は機械式時計の醍醐味です。

確かにクォーツ時計に比べれば、日差で±10秒~20秒程の狂いが生じます、クォーツでは考えられませんね。
クロノメーターといわれる上位レベルの機械式時計でも、日差±5秒位は生じてしまいます。
クォーツ時計では日差±0.2~3秒程度だと言いますから、まず我々には感じられない誤差でしょう。

機械式時計の仕組みは、とっても簡単に言えば「ゼンマイを動力にして、歯車を動かして、時を知らせる」という事です。
今の技術ではこのような仕組みにはそれぞれに合った部品を使用することで、正確な時を刻む時計が出来るでしょう。
ただし機械式しか無かった頃の時代には、この日差±10秒~20秒の時計でも最高の技術だったに違いありません。

今でもその技術をフィードバックすれば職人の精密な技術を活かす事が出来るはずです。
機械式時計にも、カレンダー機能、ストップウォッチ機能、自動補正機能(トゥールビヨン)などといった複雑機構があります。
なかには人形が鐘を鳴らす動きをするアラーム機能まであります。
この複雑時計には何千万円もする高価なものが多く、ただ金やダイヤを散りばめた装飾品時計とは違った価値があります。

高級時計といえばスイスですが、スイスでも部品から全て自社製造というマニファクチャリング出来るブランドは僅かだと聞きます。
どこか現在の製造業の流れと同じ構図ですよね、肝心な中身は協力工場で製造してオモテにはブランド名がドーンと目立っている。
しかし、そのブランドを確かなものにしている技術は世界レベルなんですよね。

一分一秒は現在も過去も同じものですが、技術やマーケティング力は確かに進化していますよね。