エッチング加工の基礎

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エッチングとは印刷などで銅板にロウを主とする防食剤を塗り、針などで彫って露出した銅面を硝酸などで腐食させて凹版を作る方法です。

ガラス工芸では、耐酸性でできた被膜の一部を切った後、強酸でガラスを腐食させる装飾加工をいいます。
銅版画は銅板の表面を酸で腐食して凹版をつくる技法を利用して作成した版画をいいます。

LSIなどの製造の際には薄膜や半導体の一部や全部を除去し、マスク上のICパターンを半導体の上に転写する工程です。
溶液中に基板を浸して行うウエット・エッチングと、反応性イオンガスやプラズマガス中に基板を晒して行うドライ・エッチングがある。
ドライ・エッチングの中でも反応性イオンエッチングは、細かい素子の精密加工ができ汎用性が高いです。
ウエット・エッチングは溶液の反応が広がりやすく、精度はドライ・エッチングよりも落ちる。

特に薄物金属加工にはフォト・エッチングは効果を発揮します。
メリットとして、
①バリ・打痕などが発生しない
②加工の深さを調節できるので、材料の片側のみの加工や貫通加工も出来る
③高価な金型などが要らないので、イニシャル・ランニングコストが安価で済む
④CADやCAMでの設計データを使用できるため、極薄板への高精度の加工が可能です
精密機器に必要な薄板バネやスイッチ金具など、微細な加工が必要な場合にとても便利です。

エッチングは腐食する性質のある素材なら何にでも加工できます。
キットも販売されていてオリジナルの美術品・工芸品を家庭でも製作できるようです。