キセノンガスの灯り

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キセノンガスはそれのみを採取する事が難しいそうです。
現状では大型空気分離プラントで、酸素ガス・窒素ガス・アルゴンガスの製造時の副産物として採取されています。

キセノンガスの利用として今は、自動車のHIDヘッドライトが身近になっています。
白熱電球(ハロゲン式も)はフィラメントに電気を流れさせることによって発光している。
それに対しキセノンランプは、キセノンガスを封入したガラス管の中に電圧をかけて放電させます。
消費電力はハロゲンの約半分という省電力で、球切れがない長寿命も特長です。
パルス発光による高出力キセノン光照射は、紫外線領域~赤外領域までのスペクトル発光が得られます。
ハロゲン球に比べ約2~3倍の強力発光が期待できます。
発光色は光束が大きくなるにつれ、白~青白~青へと変わっていきます。

キセノンの利用例:パルスドキセノン 殺菌・滅菌装置
高い殺菌力を持つキセノンランプの光を、パルス発光により照射する光殺菌・滅菌システムもあり、
従来よりも高レベルな表面への殺菌力は食品分野にも適しています。

キセノンの利用例:キセノン−133VSSガス
放射性医薬品で、肺換気機能診断薬、局所肺換気機能の検査として使用される。
患者さんに大きく息を吐き停止させたところへ、キセノン-133VSSガスを放出して1回吸入させ呼吸停止をしてもらい、肺シンチグラムをとる検査に使用される。
また、麻酔効果もあるため医療現場で使用される。

キセノンの利用例:キセノン治療器
キセノン光の近赤外線は人体を透過しやすい波長と同じ波長帯を持っているため、照射して体の痛みなどの不具合を改善する装置です。
仕組みとしては皮膚の表面を透過し体の深部を温めて、血流を促進させて代謝を促すことができるというもの。

他にも、印刷分野にも活用されており精密機器のフレキシブル基盤へのエッチング・グラビア印刷などにも活用されています。
ハイパワーでの乾燥~焼結は、従来よりも製品にダメージを与える事も少なく短時間で加工できるのです。