究極の味?培養肉。

皆さんはお肉は好きですか?牛肉、豚肉、鶏肉などなど様々な動物のお肉が今の時代食べられます。
赤身が好きな人、霜降りが好きな人などなど肉によって、または肉の部位によっていろいろな特徴がありますが、どの部位でもそれぞれおいしさがあります。
しかしこのお肉を作るのはとても大変な作業です。
長く肥育し、健康を保つことができるのは畜産農家さん方の苦労の賜物なのです。
そして何かしらの動物の肉を食べるということは、その動物の生命をいただくことでもあるのです。

しかしです。もしこの動物を殺さずにお肉が食べられたらどうでしょうか。
実はこれ2013年にすでに現実のものになっているのです。
これが今回紹介する培養肉技術です。
牛の幹細胞をシャーレで培養して人工的に肉として製造されたものです。
試食会の参加者は「肉のジューシーさは無いが、食感は完璧だ」、「脂肪分がなく赤身の肉という感じだが、普通のハンバーガーを食べているようだ」と語ったそうです。
この培養肉を作ったのは、オランダ・マーストリヒト大学教授のマーク・ポスト医学博士。
ポスト博士は世界的な食肉生産の需要に応えるための技術として、カルチャード・ビーフ、つまり牛肉の培養を提案しています。
カルチャード・ビーフは理論上、数個の幹細胞から1万~5万トンの肉が得られるという試算を出しています。
適切な栄養を与え管理することで、細胞が健康的な脂肪酸を作り出す能力を利用すれば、
培養肉は家畜から得た肉よりヘルシーなものとなります。
幹細胞から培養した牛肉はエネルギー効率が高く、環境、大地、水への負荷が少なく、動物の苦痛も少ないです。
そして、動物の殺生を嫌う一部のベジタリアンからも好反応のようです。

しかし現段階では問題もあります。例えば試食会で出されたハンバーガー1個の値段は、研究費込みで約3500万円とべらぼうに高いです。
ただ、この1年で細胞を育てる培養法や培養液を改良しており、
ポスト博士は「試算ではハンバーガー1個1400円で作れるまでになった。市場に出すには10年以上かかると思うが、さらに改良を重ね、従来のハンバーガー以下の値段を目指す」と述べています。

この培養肉が実際に我々の口に入るのは当分先のことでしょうが、そう遠い未来ではないのかもしれません。
地球温暖化問題や人口増加問題の1つの解決策になりうる可能性も秘めている技術だと私は考えています。