「ジルコニア」とファインセラミクス

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せっかく治療する「歯」ですからキレイなものが良いですよね。
ジルコニアとだけ聞きますと「何のことやら」と思われてしまうでしょう。

ファインセラミクスの分野で歯科医療(インプラント)などでも活躍しています。
他にはどういった活用がされているのでしょうか、またその性質などを見てみましょう。

*** どういうモノなのでしょうか…
ジルコニウムとい金属の酸化物の呼び名で「2700℃」という高い温度の融点を持っているので耐熱性を求める「セラミクス製品」の原料として使用されています。

平滑な表面処理が可能で摺動・可動部に使用すれば耐摩耗性の高さから、精度や機能の維持などが期待できる。
また軽量化も可能なので可動部にかかる負担も軽減できる。(ギヤ・スペーサー・ネジなど)

宝飾用として「キュービックジルコニア」というモノもあります。
これはダイヤモンドのように輝き、安価で流通できるのが特長です。
(ダイヤモンドと同等の屈折率)

各装置の絶縁体、機械加工用のカッター(刃)、精密加工用冶具や人工関節・人工骨などにも使用されています。
セラミックフィルター、ノズル、摺動部の部品、光ファイバーの中継接続部品にも光の損失も少なく動作できます。

セラミクスは丈夫ではあるのですが、一点への衝撃などが全体へ広がる脆弱性は隠せません。
しかしこういった面を補うという意味でもジルコニアはセラミクスの原料に幅を持たせることができるのです。

金属より軽いという特長を活かして柔軟に対応できるのですが、金属に比べて「熱伝導率」が低く急激な温度変化に対応できず “熱衝撃破壊”
を起こして壊れてしまいます。
しかし、セラミクスは “摩耗” や “薬剤や油などへの耐性” が得られるという面で「金属やプラスチック」にはない対応力を発揮できます。

*** 人体に使用しても大丈夫…
金属アレルギーに対しても生体親和性が高いので医療用としても利用されています。
ジルコニアは他のセラミクス製品に比べて「硬度」も高く、歯科医療(インプラントなど)で使用する際には本来の “歯” よりも硬いため「勢い良く噛んだり、歯ぎしりなどをする」と他の歯をいためてしまうほどなのだそうです。
さらに金歯や銀歯の約100分の1ほどの熱伝導率ということですので敏感な場所への使用にはもってこいということです。

人工関節や人工骨などにも使用されていますが、これも「生体親和性」と「耐蝕性」の高さが適しているということです。
ただし高い硬度のため加工・成形などにはそれなりの設備の用意が必要になってきます。

ジルコニアって「宝飾品」「医療器具」「精密機器の部品」など、マルチな分野で活用されているものなんですね。