多孔質セラミック部品

<例>多孔質セラミック部品の3次元計測

現物部品から3次元CADデータ作成


多孔質セラミック、「多くの孔(あな)」を持つセラミック(陶磁器)材料です。以下に、基本的な概要、特長、用途など


■ 基本概要

多孔質セラミックは、微細な孔を内部に持つ構造のセラミックで、空隙率(ポーラス率)が高いのが特長です。この構造により、一般的な緻密なセラミックとは異なる性質を持ちます。


■ 主な特長

特長 説明
高耐熱性 セラミックの基本的な特性として、非常に高温にも耐えられます。
耐薬品性 酸やアルカリなどの化学薬品にも強いです。
軽量 多孔質であるため比重が小さく、軽量化にも寄与します。
吸着性・透過性 ガスや液体を通したり、特定の物質を吸着する機能があります。
熱絶縁性・音響吸収性 空隙による断熱効果や、音の吸収特性があります。

■ 製造方法の一例

  1. 発泡法:スラリーに発泡剤を加えて気泡を形成させ、焼結。

  2. 鋳込み法:発泡ポリマーや脱脂可能な有機物をセラミック粉末に混ぜて成形・焼成。

  3. 3Dプリント法:最近では精密に孔構造を制御できる技術として注目されています。


■ 主な用途

用途 説明
フィルター材料 水や空気中の不純物を除去するフィルター(ガスフィルター、溶融金属フィルターなど)。
断熱材 高温炉の内壁などに使われる断熱材。
触媒担体 自動車の排ガス浄化用や化学反応の触媒を保持するためのベース。
医療材料 人工骨やインプラント材料として、生体適合性を生かして使用。
吸音材 音響機器や建材としても応用。

■ 代表的な材料

  • アルミナ(Al₂O₃)

  • ジルコニア(ZrO₂)

  • シリカ(SiO₂)

  • 炭化ケイ素(SiC)


用途や材料の種類によって、孔径(マイクロ、メソ、マクロ)や空隙率を調整することができ、非常に幅広い分野で応用されています。