鋳造品のX線CT検査
鋳造品に外部から作用する力を荷重の掛かり方や製品が正常に作動しなくなる最小の負荷と、予測される最大の負荷との比安全率(強度)破損した場合の被害の大きさで、キズ、クラック、鋳巣の基準が左右されています。
①鋳造品のX線CT3D計測 ②非破壊検査 ③リバースエンジニアリングデータ作成
鋳造品は、材料、冷却速度に斑、凝固時に収縮するなどにより巣がなくならないと言われています。外から見えない部分に、キズ、クラック、鋳巣が発生している場合があります。性能や構造により人命に関わる人命にかかわる箇所では少しの鋳巣でも許さない場合があります。材料や構造物の内部のきずの検出や内部構造の調査、試作品での評価には、非破壊検査ができる、X線CTスキャンの活用が有効です。
◆鋳造品⇒ X線CT3D計測 ⇒非破壊検査
<用語>
鋳巣・・・高温の溶融金属を金型に流し込み、凝固さる過程で発生する凝固収の縮巣。
非破壊検査・・・製品を壊すことなく内部の形状調べる技術。
X線CT・・・対象物内をX線が透過する際の透過及び吸収されやすさの違いを利用し調べる。
工業用CT(Computed Tomography)は、製品や部品の内部構造を非破壊で検査するための技術です。X線を利用して対象物を360度回転させながら撮影し、内部構造の3Dイメージを生成します。この技術は、欠陥検出や品質管理、設計最適化など、多くの産業分野で使用されています。以下に詳細を説明します。
工業用CTの基本原理
- X線撮影
- 対象物にX線を照射します。
- X線は物体を透過する際に減衰します。この減衰量は、物体内部の密度や構造によって異なります。
- 回転と多方向撮影
- 対象物を少しずつ回転させながら、複数の方向からX線画像を取得します。
- 再構成(リコンストラクション)
- 取得した2D画像をもとに、コンピュータアルゴリズムで3Dモデルを再構築します。
- 解析
- 生成された3Dデータを解析し、内部の構造や欠陥を確認します。
特徴と利点
- 非破壊検査:製品や部品を破壊せずに内部を検査可能。
- 高精度:内部構造をミクロン単位で詳細に可視化。
- 材料非依存:金属、プラスチック、複合材料など、さまざまな材料に対応。
- 多用途:形状測定、組立状態の確認、亀裂や気泡の検出などに利用可能。
主な用途
- 品質管理
- 製品の内部欠陥(亀裂、気泡、異物混入)の検出。
- 寸法測定や公差確認。
- 設計・開発
- 製造プロセスの最適化
- 考古学や文化財保存
導入時の注意点
- コスト
工業用CTは高精度である反面、装置価格や運用コストが高い傾向があります。
- 適切な解析ソフトウェアの選定
再構成や解析には専用のソフトウェアが必要であり、適切な選択が重要です。
- X線の安全性
放射線を使用するため、作業環境や操作に関する安全対策が求められます。
工業用CTは、製造業から学術研究まで幅広く応用されています。