アンモニア発電とは、アンモニア(NH₃)を燃料として使う発電方法です。アンモニアは炭素を含まないため、燃焼してもCO₂(二酸化炭素)を出さないという特徴があり、脱炭素社会に向けて注目されています。
仕組みは大きく2つの方式があります。
1. 燃焼による発電(火力発電に応用)
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アンモニアを直接燃やして熱エネルギーを作る。
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その熱で蒸気を発生させ、タービンを回して発電する。
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既存の石炭火力発電所を改造して、石炭とアンモニアを混焼させる(併用する)方法も進められています。
▶︎課題:
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アンモニアは燃えにくく、燃焼時に**NOₓ(窒素酸化物)**という有害ガスを発生しやすいので、燃焼制御が重要です。
2. 燃料電池による発電
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アンモニアを分解して水素(H₂)を取り出し、その水素を燃料電池で発電する。
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NH₃ → N₂(窒素) + 3H₂(水素)
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取り出した水素は**水素燃料電池(PEFCやSOFC)**に供給して発電する。
▶︎課題:
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分解装置(リアクター)と、アンモニアの高純度な分解技術が必要。
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システムが複雑でコストが高くなりがち。
メリット・デメリットまとめ
項目 | 内容 |
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メリット | CO₂排出なし、運搬・貯蔵が比較的容易(水素より簡単)、既存インフラを流用できる場合あり |
デメリット | NOₓ対策が必要、燃焼効率が課題、アンモニアの製造にもエネルギーが必要(グリーンアンモニアでないと意味が薄い) |
アンモニアを燃やして直接発電する方法と、アンモニアから水素を取り出して発電する方法の2つがあります。
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