NC(Numerical Control)プログラムは、工作機械や産業機械をコンピューターで制御するための指示を記述したコードのことです。主にCNC(Computer Numerical Control)機械で使用され、金属加工や部品製造において非常に重要な役割を果たします。
以下は、NCプログラムの基本的な概要です:
1. NCプログラムの構成
NCプログラムは、特定のフォーマットに従って記述される指示の集まりです。一般的に、以下の要素で構成されています:
ブロック: NCプログラムは「ブロック」と呼ばれる一行ごとの指令で構成されます。
・例: N10 G01 X100 Y200 F300
・各ブロックは順序番号(N番号)や機能コード(Gコード、Mコード)で構成されます。
Gコード: 機械の動きを制御する指令。
・例: G00
(高速移動)、G01
(直線補間加工)、G02
(円弧補間:時計回り)など。
Mコード: 補助機能を制御する指令。
・例: M03
(スピンドルの回転開始)、M05
(スピンドル停止)、M30
(プログラム終了)など。
座標: 移動位置や加工位置を指定します(例: X, Y, Z軸)。
速度: 切削や移動の速度を指示します(例: F値で指定)。
2. NCプログラムの基本例
N10 G21 (単位をミリに設定)
N20 G17 (XY平面を選択)
N30 G90 (絶対座標指令を使用)
N40 G00 X0 Y0 Z0 (高速で原点に移動)
N50 G01 X100 Y100 Z-50 F300 (直線補間で指定位置に移動)
N60 M05 (スピンドル停止)
N70 M30 (プログラム終了)
3. NCプログラム作成の手順
・加工計画を立てる: 加工対象物の寸法、素材、加工手順を決定します。
・CAD/CAMソフトを使用: 現代では、CAD/CAMソフトでNCプログラムを自動生成することが一般的です。
・手動編集: 自動生成されたプログラムを手動で微調整する場合があります。
・試運転: 機械にプログラムを入力し、動作確認を行います。
・加工実行: 本番加工を実施します。
4. 注意点
・正確な座標入力: 加工ミスを防ぐため、正確に位置を指定する必要があります。
・加工条件の最適化: 工具や素材に適した切削条件(速度、回転数など)を設定します。
・安全性の確認: 試運転で安全性と動作の正確さを確認することが重要です。
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