三次元計測のデバイス

三次元計測のデバイスは、物体の形状やサイズを3Dで捉えるための装置です。以下は、主な三次元計測のデバイスや技術に関する概要です。

  1. 3Dスキャナ:
    • レーザー三角測量スキャナ: 物体にレーザー光を照射し、レーザーの反射をカメラでキャッチして三次元形状を取得する。
    • 構造光スキャナ: 物体にパターンの光を投影し、その変形から形状を計算する。
    • 時間飛行(ToF)スキャナ: 光の送信から反射までの時間を計測して距離を得る。
  2. CTスキャナ:
    • X線を使用して物体の内部と外部の三次元形状をキャッチ。主に医療や産業界での非破壊検査に利用。
  3. フォトグラメトリ:
    • 複数の写真を使用して3D形状を再構築する。専用ソフトウェアと一般的なカメラで実施可能。
  4. CMM (Coordinate Measuring Machine):
    • 物理的なプローブを使用して物体の表面をタッチして三次元座標を測定する。主に製造業での精密な寸法検査に利用。
  5. 光セクション法:
    • 物体に細い光の線を照射し、その断面をカメラで捉えることで形状を計測。
  6. レーザートラッカーやレーザートータルステーション:
    • 主に大規模な物体や場所の計測に使用。レーザーを用いて長距離の三次元座標を高精度で測定。

これらのデバイスや技術は、用途や必要な精度、計測する物体のサイズや材質などに応じて選択されます。また、技術の進化とともに新しい計測デバイスや方法が開発され続けています。



技術の進化により、三次元計測(3Dスキャン)デバイスや方法も飛躍的に進歩しています。以下では、最新の3次元計測技術やデバイスの動向について紹介します。


🔍 主な新しい三次元計測デバイスと方法

1. 光学式ToF(Time-of-Flight)センサの高性能化

  • 進化点:高解像度・高速計測・低ノイズ化。

  • 代表デバイス:Microsoft Azure Kinect、Sony DepthSense。

  • 応用分野:ロボティクス、AR/VR、工場自動化。

2. フォーカス可変レンズ付きステレオビジョン

  • 進化点:深度分解能の向上、視野の柔軟性。

  • 特徴:カメラ内部でピントを変え、3D情報を複数距離帯で取得。

3. 構造光法の高速化・高精度化

  • 最新デバイス:GOM ATOSシリーズ、Intel RealSense。

  • 進化点:プロジェクションパターンの最適化によりスキャン速度向上。

4. レーザースキャナの小型・高速化

  • LiDAR技術の進化(MEMS、Flash LiDARなど)。

  • 応用:自動運転、屋外スキャン、点群生成。

5. マルチモーダルセンサ

  • 複合技術:RGB+深度(RGB-D)や熱画像と3Dを統合。

  • 利点:物体認識や品質検査におけるデータ補完。

6. AIとディープラーニングを活用した3D再構築

  • 特長:部分的な点群データや2D画像から3D形状を推定。

  • 代表例:NeRF(Neural Radiance Fields)、Diffusion-based 3D復元技術。


🏭 新たな応用分野・活用例

分野 活用内容
製造業 品質検査、自動組立支援、リバースエンジニアリング
建築・土木 建物・地形の3Dスキャン、BIM連携
医療 義肢設計、骨格分析、整形手術ナビゲーション
エンタメ ゲーム・映画向けの人物や空間の3Dモデリング
メタバース/VR 空間キャプチャ、バーチャル化技術

🔧 今後の技術トレンド

  • ワイヤレス・リアルタイムスキャン:無線接続+高速処理により、現場で即座に点群取得。

  • 量子センサ:超高精度な距離測定が可能な次世代センサとして研究中。

  • コンパクト化と低価格化:スマホ搭載型の3Dセンサ(例:iPhoneのLiDAR)普及が進行中。

  • クラウド処理の活用:重い点群データをクラウド上で処理・共有。


三次元計測各方式の図解

 

 

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