鉄と鋼の違いが分からない

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確かに「鉄」でできているものが無いと全てに支障を及ぼしますね。
鉄といえば地球上で生活するうえで必要になる素材の一つです。

どんなに文明的な機器類を排除したクラシカルな「田舎暮らし」を始めたとしても、
何らかの道具で鉄製のもの(刃物・調理器具・その他資材)が必要になってくるのでは?
また「鋼のような…」という表現を使用することがありますが、鉄と鋼はどう違うのでしょうか?

*** 鉄と鋼の違い…
鉄(=Fe)は地球上でアルミニウムについで多い金属元素です。
鉄は鉄鉱石といわれる鉱物資源により精錬されていろいろな製品へと生まれ変わっていきます。
その原料となる「鉄鋼石」は海外からの供給によるものが多いのは「資源の少ない」日本の宿命でしょうか。

私たちが「鉄」と呼んでいるものは主に “合金” や “鋼材” などの大きなくくりを差しているものとされます。
「純粋な鉄だけ」という存在では原子の構造上移動がおきやすく、すぐに活性化されて細かい状態では発火してしまうのです。
酸化の反応でもあるといわれていますが、使い捨てカイロの仕組みに利用されているものです。
また、鉄単体では脆く使用に適さないものでもあるそうです。(銑鉄・鋳造として必要なときもあります…)

「鉄単体」では使用できる場面は限られるのですが「鉄」に炭素やその他の金属元素などを加えた「鋼」になれば、用途が広がってきます。
「鉄」に加える金属によって「炭素鋼(炭素含有量・約1.8%以下)」「ステンレス鋼(食器など)」といった「特殊鋼」ともいわれる素材として製造・利用されています。
「鉄」は「鋼」になれば加工しやすくなったり、機械的な強度が高くなったりと性能を付加・強化することができるのです。

使用する金属元素によって「サビにくくしたい」「強度が欲しい」「加工性能を上げたい」などと目的によってそのバランスも考えられます。
ネジ・自動車部品・刃物・ワイヤー・機械部品など使用する目的・用途によっても違ってきます。

結局・・・
「鉄」をもとに「鋼」を作り出すのですから「鉄鋼製品」といわれたら、一般的に使用されている「鉄」をイメージしていても正解ということでしょう。

*** 鉄をつくるための材料…
鉄を取り出す際にはいろいろな材料がほかにも必要になります、その一例として「コークス」「石灰石」があります。

鉄鉱石は、コークスと呼ばれる”石炭を粉末状にして凝固させて1000℃以上で18時間程度焼成、急冷させたもの”で、加熱されます。
主にコークスは “石炭の燃焼力よりもはるかに高い” “炭素により鉄鉱石から鉄分を取り出す「還元」もできる” ということで使用されます。
また、石灰石は鉄以外の成分(二酸化珪素・アルミナ・硫黄)を分離させるのにちょうど良い働きをしてくれますので純度の良い鉄を取り出すことができます。

また、鋼材には「ニッケル・クロム・チタン・アルミニウムなど」の金属元素を “鉄” に加えて使用します。
皆さんが日ごろお使いの工具、機械、乗り物などにも使用されています。