「ゴム製品」の製造ポイント・・・加硫作業でできること

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ゴム製品は “グ~ンと伸びてまた縮む” だからこそ使い勝手が良いのです

ゴム製品を製造する際には「加硫」という工程を経ています。(全てではありませんが)
原料からいきなり「ゴム製品」ができるわけではありませんので欠かせない工程であります。
ではこの工程はどういったものなのでしょうか?

*** なぜこの工程が必要なのでしょうか…
ゴムの製造段階では分子の結合は直線的な多重分子結合の状態にあります。
ここへ「加硫」を行うことで網目状の多重分子結合での架橋状態へと変わります。
この状態になってこそ「柔軟性」「伸縮性」「耐性」を充分に発揮できるようになります。

この加硫は主に “硫黄” を使用しますが、作業効率・性能確保のため “酸化マグネシウム” などを使用して一定の温度下で行われます。
加硫には加熱という作業も必要になるのですが、ゴム製品は高温すぎても低温でも溶けてしまったり硬化してしまったりするものですからデリケートな作業が必要にもなってきます。

*** 「柔軟」だけど「強い」ゴム製品に求められるもの…
ゴムの最大の特長は「弾力性」「伸縮性」です、加硫によってゴムの特性でもある「弾力性・伸縮性」が発揮されます。
例えば「加硫」されていない状態のゴムは引っ張られるとそのまま伸びた状態でいるそうです。

硫黄による「加硫」は金属などへの影響も考えられるため「過酸化物」による加硫が行われることもあります。
(ゴム製品の表面に硫黄分があれば接触した際に影響を与えることも考えられるため)

ゴム自体も加硫によって「弾力性・伸縮性」を獲得できますが、紫外線や温度変化、水分(水濡れ)・油分などには弱い面ができてしまうこともあります。

ゴム製品は「製品」の状態でも、高温時には柔軟になっていきます、さらに加熱されれば溶けることもありますまた表面が「ベタベタ」と粘着質のようになってしまうこともあります。
反対に「低温の環境下」では硬くなってしまいヒビ割れがおきやすくなります。

ゴム製品の製造工程をおおまかにご紹介…
スチレンゴムやシリコンゴムなどのような合成ゴムや天然ゴムでも必ず、原材料に加硫剤や軟化(柔軟にするため)剤などを加えて圧延したりして混練していきます。
さらに圧延して成形されたのち「加硫作業」=加熱の工程により性能を調整したりして出来上がります。

こういった製造時に添加される材料やゴムの素材の組み合わせによって出来上がる製品の性能も変わってきます。
用途(パッキン・クッション・シーリングなど)によって求められる性能は違います。
組み合わされる材料などのバランスが重要になってくるのですね。

自宅の洗濯機の設置には、硬めのウレタンクッションの間にシリコンゴムを挟んだものをかませています。
(内容物(洗濯物)の量や偏りによって回転するドラムは振動や大きな音を発生させてしまいます)
適度な「硬さ」でしっかりと設置でき、「柔軟」なゴムで振動の揺れ幅を緩和しているのでしょうか効果はバツグンです。