PVA・PVPの性質の違いって??

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まっさらな紙は純白で気持ちいですよね
PVA・PVPとだけ聞いてもピーンとこない方!! ちょっと特性などをご覧ください、意外と身近な存在なんですよ。

PVA…「ポリビニルアルコール」・PVP…「ポリビニルピロリドン」といいます。
両者とも「合成樹脂」の一種であります。

・「スティックのり」はご存知ですね?これはPVPを使用した製品のひとつです。…
保水性の高いことからコンタクトレンズの材料にも使用されています
ヨウ素と配合されたものは「ポビドンヨード」です、うがい薬の主成分ですよ。
ヨウ素は元素中でも殺菌力が極めて強いものです過剰摂取に対しても排泄されるので残留分がないのが特徴

・合成樹脂系の接着剤にはPVAがよく使用されています。…
「洗濯のり」は有名ですが、特有な接着の性質は結合剤としても、アクリル樹脂系の接着剤の乳化(エマルション)剤としても使用されています。
複数の異なったモノマー単位の性質をつなぎ合わせるような感じではないでしょうか。

*** PVPの性質…
「ポリビニルピロリドン」はモノマー(単分子)では毒性が強く扱いも注意が必要ですが、ポリマー(複数重合)になることで無毒化されます。
この状態では水分の吸収が非常に良く、その後乾燥させてコーティングのように使用するといった性質も発生します。

PVPによく似た成分でポリフェノール吸着に優れていて、飲料の濁りの除去のため添加(食品添加物として)されているものもあります。
さらにセラミックスなどの成形時に”つなぎ”として使用した際にも、焼成時に燃えて無くなってしまうので後への影響がありません。
繊維に混ぜて織り込めば「帯電防止」にもなるので作業服の素材としても使用されています。
粒子が均一なのでロール状に成形する製品などで使用すれば均一な品質が保てます。

*** PVAの性質…
繊維質への接着力に優れていて表面の強度があるのが特徴で、化学繊維の製造にも使用されているものです。
またその強度を活かして、繊維や紙製品の表面のコーティング剤として使用されています。
紙素材へのコーティングでは、より白い紙として(酸化チタンの使用)、皮膜塗布でプリンター用紙の光沢紙として使用されていて、印刷の精度や接着性能の向上にも貢献しているのです。

PVA・PVPともに親水性に優れていて、分子結合(重合)によるモノマー~ポリマー(オリゴマー)といった分子の量によるバランスによって示す性質を活かした製品作りがされています。