暖房以外でも活躍する「ニクロム線」

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いつも使うトースターやドライヤーの中には「ニクロム線」が使用されています。
「ニクロム線」とは、ニッケルとクロムの合金なので「ニクロム」と呼ばれているもので、電気的抵抗の大きな特性を活かして熱源として使用されています。

小学生位に理科の実験で「電池に電線(針金など)を接続して」その熱で発泡スチロールなどを切ったりしました、このような使用方法で熱源としていろいろなジャンルで活躍しています。

*** 一人に一台でもおかしくないほど手軽な存在ですが…
皆さんご存知でしょうが、冬に大活躍した暖房機器にも「ニクロム線」のヒーターがあります。
ガラスの筒にニクロム線をらせん状に通したカンタンな構造でホームセンターなどでも安価に購入できます。
移動も手軽で暖房の増設(応援?)に重宝しますが、使用時間にもよりますが出力の割には思った以上に電気代がかかってしまいます…。

*** 新しいカタチでの活用…
最近では「酸化マグネシウムの粉体」の入ったステンレス管に「ニクロム線」を通した「シーズ(管)ヒーター」が多く見られます。
これはニクロム線の熱を酸化マグネシウムが外側のステンレス管に伝えることで “管全体が暖かい” という構造になっています。
家庭用の放射板電気ヒーターでも多く見られますし、キッチンでもIHクッキングヒーターの補助としても使用されています。

※ ニクロム線の加熱だけでも料理などに使用できますが、使用する方法によっては熱源に食品などから「油」「水分」などが落ちてきます。
こういった付着物が着いたままの使用はできません、つまりニクロム線を “むき出しのまま” 使用することはできませんので使用できる場面も限られてしまうことになります。(通電時での接触事故や、水中[液中]では使用できないなど)

*** 製造や加工には柔軟に対応できます…
シーズヒーターはこの点を解消してはいますが「出力不足」や「全面に熱が伝わるまでに時間がかかる」事もあります。
ところがヒーター部を直接水槽(液中)に浸けても使用できる点や掃除(手入れ)のし易さには利便性があります。
形状もいろいろと設定して製造できるので、渦巻状にすれば広い面にも対応できて補助火力としても使用できます。
簡単に温度の調整もできることから水槽などの温度管理にも使用されています。

本体の素材や使用環境にもよりますが以下の注意も必要になります。
  ○ 高温での使用時には空焚き状態となりやすく(表面皮膜など)酸化腐食してしまう
  ○ 水槽中での使用時には使用液中の成分による変色・劣化、及び本体の接合部分からの腐食やクラックやヒビ割れの発生

工場などでの使用ですと稼動時間・頻度も高くなる分メンテナンスも定期的に行われますので異常の発見もしやすいのですが、日常使いの場合には意外と気づきにくいので定期的なメンテナンスをして注意しましょう。

便利で手軽なこういった熱源を使用した「串焼き(あみ焼き)器」や「ミニフライヤー」など「お一人様用調理機器」を販売しているのを見かけます。
卓上で調理できれば「いちいち立たなくても済みます」から、晩酌時やパーティーにはとっても「使えますね!!」