生活の中で欠かせない「バネ」の存在

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先日TV番組の特集で「バネのスペシャリスト」として、株式会社 東郷製作所(本社:愛知郡東郷町)の特集をやっていました。
国内トップシェアを誇るバネメーカーさんです、約12000種類もの製品を送り出しています。

バネというとコイル型のものを想像してしまいますが「円形」だけではなく「角型」もあるんです。
ホースクリップのような型のものもバネの機構を兼ね備えていますのでこれもバネといわれるものになるのです。
さらに電池ボックスの電極もバネ製品だそうですので知らないうちに身近な場所で見かけているわけです。

*** バネに使用される材料・特徴の一例
硬鋼線 : コストが低くて汎用性が高い、一般使用向き
ピアノ線 : 比較的安価で汎用性もありキレイな品質で製造できる
クロム鋼線 : 炭素+クロムの合金で、焼き入れや焼き戻しによる耐摩耗性・耐食性があるのが特徴
ステンレス鋼線 : 流通する範囲が広く、耐食性・耐熱性がある

硬鋼線は、安価で製造できるため汎用として使用されています、耐熱性にも優れています。
ピアノ線は、「炭素鋼線」では最も強度があり「耐久性」「精度」ともに良いので高級な素材として扱われています。
メッキ線は、導電性やハンダづけの良さで使用されています。
オイルテンパー線は、動きの多い「エンジン部品」「シート」や「金型」などにも使用され、耐荷重性・耐摩耗性に優れています。

*** バネの製造(かなりおおまかな…)
通常見かけるコイル状のものを作りだすコイリングマシーンや、複雑な形状を4~5本のアームで作り出すフォーミングセンタなどの機械を使用した製品作りは工具の切り替えにより効率の良い製造ができます。細い材料は機械に送られるとコイル状に加工されカットされます。
またクリップなどの役割もこなす製品では工具による曲げ加工なども行われます。
※ 性能の安定性を引き出すため「端っこ」は研磨されていきます

製品になるには「焼き入れ」を行い、冷却後にはさび止めのためオイルをコーティングしたりまします。
性能の試験・目視検査などをして製品となります。

上記の東郷製作所様でもクリップなどを製造していますが、こういった部品の取り付けには「結構な力」と「工具」が必要です。
パチッとはずせばクリップで留められる機構付きのものまで開発されています。(これは便利ですよね)

コイルスプリング・板バネ・トーションバーなど名称もいろいろありますがあらゆる製品にも使用されている部品のひとつです。
世の中に出回っているモノから「バネ製品」がなくなったら生活は一気に使用できなくなって不便になってしまうでしょうね。

ちなみにトヨタの「プリウス」には約1000個以上ものバネが使用されているそうです。
家で興味本位で分解してバネが飛んで行ってしまってエライことになった経験をお持ちの方、これからは触らない方がイイみたいですね…。