「音の壁」を超えると飛行機はどうなるの?

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写真:ベイパーコーンが発生しているF/A18戦闘機、これだけの抵抗を受けるんですね。

みなさんは飛行機での旅に出掛けられた事はありますか?

普通われわれが乗る機体では音速を超えて飛行するという事は無いようですが、それに近い速度で航行しています。

ジェット旅客機でも約1000km/h(最高時)での航行をしているそうです。
これは音速=時速約1225km(約340m/s)を超えないように巡航しているからです。
ちなみにホンモノの拳銃から発射される弾丸の速度もほぼ音速です。
その訳は「音速を超えると途端に燃費性能が落ちるため」と、「航空会社では乗客の安全を最優先するため」です。

戦闘機にもなればこの速度をはるかに超えた約2000~3000km/hという速度での航行が可能になります。
運用の目的が違いますのでこれだけの性能は必要になってくるのでしょうが・・・。
音速に近づく又は超えた状態で航行すると機体に「傘」のような気流が見られるようになります。
これは「ベイパーコーン」といい、機体周りの空気の圧縮による気圧差で水蒸気が急激に冷えてしまう時に発生するものです。
この現象はマッハ(超音速)の状況でも、音速以下でも発生するものですが音速の壁を感じさせる現象の1つではないでしょうか。

一昔前のプロペラ推進力の飛行機ではこの圧縮空気の抵抗により推進力は時速800km/h周辺がMAXとなってしまう事になるそうです。
機体がどうのというよりも「乗ってる人たちが耐えられるか?」という事も大事ですよね。
安全な航行という面で速度を設定していただけるなら「少しでも速く」、でも「安全第一」が最重要ポイントになりますね。

下の動画をご覧いただくと分かりますが「音・衝撃」が凄い事になっています。
ここまでの速度ですと通過する際の「音圧」や「衝撃波」など、その距離が近ければ大変な影響があります。
動画のような航行を「民間旅客機で行ったら」どんな事態になるのでしょうか?
機体へのダメージや燃料効率の事、操縦するパイロットへのプレッシャーなどからして安全面や費用対効果で脆い状況となるのでは?

やはりこれも「超えてはいけない一線」という事になるのでしょうか。

戦闘機の「ベイパーコーン」が一番分かりやすいのでご覧下さい。
You Tube:「Many jets breaking the sound barrier.」より

You Tube:「Sonic Booms Compilation」より

You Tube:「Sonic Booms Compilation-2」より