セラミックス・ファインセラミックスの活躍

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セラミックス製品の浸透は生活の中にも産業にも大きくかかわりを持っています。
セラミックス(ファインセラミックス:※)製品はどういったものなのでしょうか。
※ ファインセラミックス・・・原材料の高精度化により製品も高機能・高精度化されています

*** セラミックスについて…
セラミックスは陶磁器という解釈で良いのですが、焼き固めたもの焼結されたものをいいます。
もちろんお茶碗もガラスもセラミックスですし、産業界ではセラミックスの複合素材や半導体電子部材、構造部品などにも使用されています。
ですから古代(縄文・弥生時代)から存在しているもので、もう生活必需品の中にセラミックスは組み込まれているのです。

セラミックスの材料となるものは「粘土」や「石」など天然の鉱物材料でできています。
さらに今活躍している「ファインセラミックス」は高レベルでの精製材料や人工的に作られた合成原料などを使用しています。

*** いろんな場面での活躍…
セラミックスは成形され焼成されます。
・粘土状のような半固形の状態でプレスで焼成しながらの成形(プレス成形~いったん乾燥~焼成)
・液状で型に流し込む鋳込み成形から焼成
・ロクロなどでの成形を経た焼成
といった製造工程が主にとられています。

大変硬いイメージが強いのですが、一点への衝撃などから全体への影響へつながってしまうといった脆い面も特徴としてあります。

「ファインセラミックス」は基本的にセラミックスと同じような材料を使用していますが精製の度合いが違ってきます。
また使用する材料の組み合わせ(配合)も計算されたものですので高機能・高性能を追及したものです。
コンデンサや耐火材など歯の治療や矯正などにも幅広い分野で使用されています。
原材料によって性能にも違いがありますので、電気的な変化(素子・絶縁体)や摩耗や靭性(脆さ)への耐性を機能として加えることで高機能化しています。
工作機械・機器類の軸受け(ベアリングなど)やバルブなどといった、可動部・摺動部などといった耐摩耗性の求められるような部位でも使用できることは大きなメリットであります。

身近なものには蜂の巣のような構造のフィルタで「ハニカムセラミックスフィルタ」があります。(自動車用排気フィルタ)
ファインセラミックスは材料の時点ですでに高精度でありますので、できあがるものも高い精度・高機能なものとなります。
それにはさまざまな性質(特性)をもった素材を使用することで対応できます。
その中でもジルコニアは電気的な利用から医療目的での利用もできて耐靭性も高いのが特徴です。(輝きがあり装飾にもむいています)
磁性を持たせるフェライトや機械的強度や耐摩耗性、耐食性など万能なアルミナも材料として有名です。
窒化(炭化)ケイ素は軽いうえに耐熱性・耐衝撃に優れているのでエンジンの部材として活用されています。

*** セラミック? セラミックス?…
今では一般化している呼び名で「セラミックス」や「セラミック」「セラミック(ス)」などとありますが陶磁器などはセラミック、産業用などで使用されるものがセラミックスだとか、原材料の時点が「セラミック」出来上がったものが「セラミックス」だとかいろいろです。

最近では “3Dプリンター” によるセラミックス製品の開発・製造もニュースになっています。
小指の爪の上に乗ってしまうほどの大きさで、精密・緻密な造形物を作り上げてしまうほどです。

材料の「粒子の細かさ」「均一さ」「種類の配合の割合」などの技術により、硬度や機能性を持った幅広いモノづくりが進んでいますね。
「陶磁器(=セラミックス)」という言葉だけでは、これだけ細かいものを想像できないのは昔の話になってしまいました…