陶磁器をキレイに強くする「釉薬」の作用

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ちょっと前までは”焼き物”というと年配の方のご趣味では?と思いがちでした。
しかし日常生活で国の内外を問わず使用される陶磁器。
茶碗や皿、カップ、壺など生活必需品でも工芸品でもあります。

この陶磁器には施釉(釉薬をかける)という処理がされています。
この釉薬を施す理由というものは何でしょうか?

*** 釉薬とは—
素焼きの状態の器に釉薬を施すことで見た目や機能性を高めることができます。
主に、石を砕いて粉末状にしたもの、木やわらを燃やした際の灰、鉄粉や銅などの金属を使用します。
鉄系は黒色、銅は赤い色や緑色がでるそうですし、コバルトを使用すれば「瑠璃色」の仕上がりとなります。

使用する際にはほとんどの場合、水でかき混ぜた液状の状態で施釉します。

釉薬を用いる効果として、表面の性能向上・表面の装飾(手触りなど)につながります。
性能としては強度(耐久性)の向上、素焼きのままでは吸水性がありますのでそれを抑える(防水性)

釉薬の焼成時にはガラス質状へと変化しますがこれが「機能性(耐久性や耐水性)」「装飾(デザイン)」であったりするものです。
その状態も「塗装でいうクリアのような光沢のある透明な状態」「少し手触りもサラッとした感じでツヤの抑えられたマット(塗装ならつや消し)」
が初心者でもわかりやすい差ではあります。
さらにラメのようなキラキラしたものや大きな結晶が見られる「チタン」「コバルト」「マンガン」等を使用した結晶釉もあります。

これらの釉薬を使用しても施釉の仕方や焼成にかける時間や温度でできあがりが違ってくるものだそうです。
「これだから面白い」という「陶芸の奥深さ」なのでしょう。

釉薬を使用する際にも「釉薬に浸して」施釉、「釉薬を流し掛けて」施釉、「刷毛で塗り」施釉などといった方法があります。
※ ホウロウ(琺瑯)なべも仕組みは同じようなものです、基材が陶磁器ではなく金属に釉薬を施すものです。

*** 色の出方の違いと試行錯誤…
自然の素材同士でのモノづくりは、毎回ベストなクオリティでの製造・製作は難しいものですよね。

やきものも毎回の試行錯誤による作業でも出来上がりの表情には違いが出てくるそうです。

・釉薬の原材料の均一な品質状態
・釉薬を混ぜる際の配合の割合
・施釉の際の塗布量(範囲や厚みなど)
・施釉する相手との相性
・焼成する温度・時間
などなど、毎回違う条件での作業は苦心するけど…「ハマる」と抜け出せなくなりますよ~!!!