「真鍮製品」の性質とメッキによる表面処理の効果とは?

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先日仏具の手入れをしていました、「チーン!!」と鳴らす真鍮製の “おりん” がくすんでいました。
せっかくなので一生懸命磨きこんだらピッカピカ!!
ところが2・3日も経つと磨く前より黒っぽくくすんでしまいました・・・ナゼ???

*** 真鍮とは…
銅と亜鉛(鉛)の合金で黄銅ともいわれていて「黄金色」という感じの輝きがあります。
比較的安価で製造できて、加工もしやすいのが特徴です。
“錆び” には強いほうなのですが「黒く変色」する性質があります。
そのため多くの製品には「ロジウムメッキ」の処理がされています。

*** 「ロジウムメッキ」って??…
真鍮も金属製品である以上「錆」「腐食」などは避けられません。
鉄でできているものよりも真鍮でできているものの方が「錆びにくい」といわれています。
しかし真鍮でできたものを使用していると「緑青」ともいわれる “黒ずみ” が出てきます。
これを防ぐ(抑える)ためにも表面にメッキなどでコーティングをする必要があります。

その処理として真鍮には「ロジウムメッキ」という方法がとられています。
ロジウムメッキは「銀色」の輝きをもった処理ができます。
耐酸性・耐アルカリ性の性質を持ち、硬度も高いため装飾品だけでなく「電子機器」「工業製品」にも使用されています。

*** 身近にある真鍮製品をよ~く見てみましょう…
銅70%+亜鉛30%の7:3真鍮や、銅60%+亜鉛40%の6:4真鍮が主流で「5円玉」の製造に使用されています。

素材である銅製品の発色はどちらかといえば「赤みがかった」光沢です。(金の発色は「黄色がかった」光沢です)
真鍮を製造する過程で「銅に亜鉛を加えることでできる合金は “金色がかった” 発色」をしていくのです。
たしかに真鍮は「まばゆい”黄金色”」というよりも「温かみのある”黄金色”」とでもいえるものが感じられます。

安価で「金」製品に近い「輝き」「光沢」を出せる真鍮は、ドアノブやペンダントライトやネジなどに使用されています。
やっぱり使い込んでいくうちに「味わい」が出てくるものなんですね。

あれ?磨いてもすぐに仏具がくすんでしまうのは「磨き過ぎてメッキを剥がしてしまったから?」
ロジウムメッキは耐摩耗性にも富んでいるとはいえ研磨剤を使用してしまえば…(うわ~、怒られるな~)