3D形状計測とポイント計測は、計測対象の特性や用途に応じて使い分けられる技術です。それぞれの違いについて詳しく説明します。
3D形状計測
概要: 3D形状計測は、物体の全体的な形状や表面の形状を三次元的に捉える技術です。計測結果は、物体の3Dモデルとして表示されます。
技術:
- レーザースキャニング: レーザー光を使用して物体の表面を走査し、反射した光の時間や角度から距離を計算する方法です。
 - 光学測定: ステレオカメラやプロジェクターを使用して、物体の表面に投影されたパターンの変形から3D形状を取得する方法です。
 - CTスキャニング: X線を使用して、物体の内部構造を含む3D形状を取得する方法です。
 
用途:
- 製造業での品質管理
 - 文化財のデジタルアーカイブ
 - 医療分野での手術シミュレーションや義肢製作
 - 建築や土木での現場計測
 
利点:
- 複雑な形状や大きな物体の詳細な3Dモデルを取得可能
 - 高精度での表面データ取得
 
欠点:
- 高価な機器やソフトウェアが必要
 - データ処理や解析に時間がかかる場合がある
 
ポイント計測
概要: ポイント計測は、特定の点の位置を三次元空間上で計測する技術です。主に距離や高さなど、物体の一部の特定のポイントの情報を得ることを目的とします。
技術:
- トータルステーション: 光波やレーザーを使用して、遠方のターゲットの座標を計測する方法です。
 - GNSS(グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム): 衛星を使用して、地球上の特定の点の座標を計測する方法です。
 - 測量用ポールやレベル: 測量用の機器を使用して、地形や建物の高さや距離を測定する方法です。
 
用途:
- 土木工事や建設工事での位置決めや高さの計測
 - 測量業務での地形図作成
 - 地質調査や環境モニタリング
 
利点:
- 精度の高いポイントデータを迅速に取得可能
 - 特定の点の位置情報が必要な場合に適している
 
欠点:
- 計測できるのは特定のポイントのみで、全体の形状は取得できない
 - 連続した面や形状の情報が必要な場合には不向き
 
まとめ
3D形状計測は物体全体の形状や表面の詳細なデータを取得するために使用され、一方ポイント計測は特定の点の位置情報を高精度で取得するために使用されます。用途や必要な情報に応じて、これらの技術を適切に選択することが重要です。
| 3D形状計測とポイント計測の相違 | 
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| 3D形状計測とポイント計測の違いを示すイメージ画像です。左側では、カメラを使用して詳細な3Dモデルを取得している様子が描かれており、右側では測量技師がトータルステーションを使用して特定のポイントをマッピングしている様子が示されています。背景には、それぞれの用途に関連する工業や建設現場の要素が含まれています。 | 
| <3D計測とは> | 

