錬金術と金

皆さんは錬金術と言えば何を思い浮かべますか?
アニメや漫画、ゲームなどに最近はよく出てくるワードですよね。
キメラを作ったり、賢者の石を求めたりいろいろと夢がある単語です。
しかし当初の錬金術はこれらと少し毛色が違うものでした。
錬金術は金を作り出すことを目的とした学問でした。
まぁ実際金は作られなかったのですが、
その道中で編み出された技法や知識は現代科学の礎になっています。

錬金術というと大体の人が中世のヨーロッパをイメージするでしょう。
最初、錬金術は治金術と呼ばれギリシャで始められていました。
そしてイスラム錬金術や中世ヨーロッパ錬金術が発達します。
また別のルートでインドや中国などにも錬金術に似たような研究が行われます。

錬金術師が目指したもの、それは冒頭でも書いた賢者の石の精製です。
賢者の石を使えば物質をより高次のよい物質に変えることができると言われています。
金ができるというのもこのより良いものへ変わることを応用したものですね。
また余談ですがこれを人体に使えば不老長寿だったり頑強な身体になると信じられていました。

しかし錬金術の知識が高まるとその副産物と科学の知識も高まりました。
その化学の知識の結果が現代社会の基本となっています。
つまり不老長寿や賢者の石は夢幻であるということです。
しかし、蒸留技術や火薬の発明など様々な知識もまた錬金術がなければ発見されませんでした。

錬金術が現代にのこしたものは科学知識だけではありません。
ここからは完全に著者の言い分ですが、錬金術は私たちの娯楽に深くかかわっています。
つまり漫画やゲームです。
著者はそういった漫画やゲームが大好きなので魔法と同様錬金術という単語を聞くだけでいろいろ楽しめます。

ちなみに現在の科学で金の精製は可能かどうかですが、どうやら理論的には可能らしいです。
ただ核分裂とか核融合とか恐ろしい単語が出てきて割に合わないのは確かですが。