塩害の影響を知っていますか

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沿岸地域は自然の恵みという恩恵も多く受けられますが、塩害という悩みも抱えているのです。
内陸地に住んでいる方には縁遠いものかもしれませんが、塩害というものがどういったものなのかご紹介します。
沿岸部には海水の塩分を含んだ風が吹き付けますのでその影響を受けているのです。

では、どういった影響がでてくるのかを見てみましょう。

*** 自然の力にはかないません…
私にも「海の恩恵」で暮らしを建てている身内がいます。
漁業関連の道具もすぐに「サビ」が発生してしまいます、家に戻っても魚網や道具類の手入れに時間をとられてしまうことも多いそうです。

私たちが海水浴程度で海水に触れただけでも「ベタベタ」しますよね、こういった環境に住まいを構えることになれば…
・コンクリート・鉄筋の腐食
・自動車のサビ
・土壌の塩分濃度の問題
・沿岸部特有の強風被害(塩分を含む)
などといった塩害の影響(被害)が考えられます。

私の身内はミカンも育てていますが、実際に話しを聞いてみると…
自動車は水で流しながらキレイにしないとワイパーや足回りなどにサビが発生しやすい。
“刃物”(仕事用・家庭用ともに)は、「鍬、カマ、ハサミ、包丁など」がすぐに錆びてしまうそうです。
建物のベランダ(手すりなど)・門扉はもちろん、ビニールハウスの骨組みや装置類といった農業資材なども錆びやすいそうです。
農作物(果樹)を作っている山間部などへ行くと、海から少し離れただけでも「塩害」の影響の大きさに違いがあるそうです。

*** どうにかしてみるには…
機器類の操作自体ができなくなってしまう・・・送電線などへの影響もありますし、サビなどで操作ができない、接点(電極)などの接触不良や回路の正常な起動ができないといったことも起こります。
作物に関しては「土壌の塩分濃度の状況」によっては作物の生育、作付け自体に影響が出てしまいます。
塩分濃度の関係で作物の”根”に対する浸透圧の影響で生育への障害(吸い上げられる水分の低下など)が発生してしまうのです。
潮風も機器類同様に作物へも影響を与えます、葉が変色する・実(結実)への影響・幹や枝などが枯れるなどの被害が出てしまいます。

屋外使用可能な機器・装置類や自動車などはこういった環境用に設計・製造されているはずですし、「雨」によってまたは「人による散水」で塩分を洗い流すこともできます。

しかし、土壌はどうしたらよいのでしょうか?(塩分濃度が高いと作物が作れませんよね)
畑ではまず土壌改良のために石灰系の改良剤を撒きます(家庭菜園でもお馴染みの”苦土石灰”なども同じです)
さらに土を掘り返して入れ替えを行ったり「弾丸暗渠(だんがんあんきょ)」といわれる方法も取り入れられています。
そこへ「真水」を浸透させたりして塩分濃度の低下促進・残留塩分の除去をします。

※ 弾丸暗渠とは土の表面ではなく「土中」に水の通り道である溝を作っていくものでタテ・ヨコに何本か作ります、浸透した水(塩分を含んだ)はこの溝をたどって排出されます。

こうやって一定濃度へと改良されれば農作業ができるというわけです、まずは土作りが肝心なのですね。
機器類の製造にも環境の影響は多分にありますが、自然相手の作業は工夫や手間がその都度必要になってきますね。
こういった経験によるもの、先駆者の知恵などを拝借するのは「機械相手」でも同じなのではないでしょうか。