油圧・空圧シリンダーなどの仕組みや力の伝達について

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ジャッキの構造はシリンダーに封入してあるオイル(潤滑油)の流量を制御しながらてこの原理を応用してシリンダーの上昇をさせたりします。
この仕組みは「パスカルの原理」が応用されています。

*** ジャッキでの仕組みで見てみます…
押さえる面の面積と沈み込む深さによって相手の浮き上がる高さや重量にも作用が働きます。
内径に加わる圧力(重量)は出力される側へ影響されます。

例:内径=シリンダー面の面積と考えてください(強引ですが)
Aは内径10mmで1000gの重量です、Bは内径50mmで5000gの重量でつりあいます。
これが先ほどの「パスカルの原理」で、シリンダーの面積と比例した力を発揮します。

この状態でAが100mm沈み込むとBは先ほどの位置より20mm上昇します。
これは移動した液量とシリンダー面の大きさと関係しています。
シリンダーの特徴には大口径からの出力と小口径からの出力を一本のノズルで比べると意外と小口径のシリンダーの方が強いというのはこういった原理から生まれる効果です。

*** シリンダーの種類と動き…
シリンダーにも圧力の入力位置により、
・単動型(押し型):出力されるブランジャーの奥から圧力が入力されるため押し出される力を発揮します
・単動型(引き型):出力されるブランジャーの手前から圧力が入力されるため引く力を発揮します
・複動型(押し、引き):ブランジャーの奥・手前から圧力が可能なので、押したり引いたりという力を制御できる

単動型のシリンダー内にはスプリングがセットされているものが多く、押された(引かれた)ブランジャーを元の位置まで戻します。

*** 油圧?空圧?…
シリンダーを作動させるには「油圧」「空(気)圧」などがあります。(水圧など…)
プレス機器でも油圧シリンダーが多用されていますが、コイル材の送り機構に「エアー」が使用されていることがあります。

油圧:大きな圧力のやり取りができ、ハードな現場で使用されている割には寿命が長い。
   反面で食品関連の装置には不向きともいわれている

空圧:反応速度の速さ、メンテナンスが油圧に比べてしやすく機構全体がスリムです
   油圧のような大きな機構の制御(加圧や保持)には力不足でしょうか

*** Oリングなどパッキンの役目…
Oリングや切りかけのあるパッキンはエアーや油圧などの圧力が加わることで変形します。
機構内の継ぎ目などで、変形により内圧が抜けるのを防いだりオイルやエアーの漏れも防ぎます。
パッキンのおかげで性能が充分に発揮できるようにもなっているのです。
それだけにこういった「パーツ」も重要なものとなっているのです。

分厚い板材の打ち抜きや曲げ加工から小さな部品を使用しての素早い加工など、油圧・空圧を使用した作業・工程はたくさんあります。
速度や精度、出力の大きさによる違いがあるんですね。