メッキ加工した表面をいじりたい場合どうしたら良いのでしょうか?

895569054381524362c0d10d08036a12_s
日本人の美意識としてどんなに安価な製品でも美観にこだわる傾向があります。
日常使いで収納時や落下ですぐに傷ついてしまうのですが、購入時には「キズは無いか」「汚れにくいか」といった見た目が気になります。

見た目だけで言えば「メッキ加工」が一番多く見られる表面への仕上げ加工ではないでしょうか。
では、メッキ加工(処理)とは製造段階や使用する状況下でどのような効果が得られるのでしょうか。

○ 製造段階で期待できる効果では、設計した寸法精度・角度・形状・質感・流動性能・強度性能などに反映されることでしょう。
金属の表面処理加工では電導率の向上や耐摩耗性、耐食性を得られることにも期待されます。
樹脂製品でも「表面の光沢」や「滑り性能」というものもあります。

○ ユーザー側がメッキにお目にかかる時といえば、自動車部品・内装(インパネ)や外装(ホイール・バンパー)などや、携帯電話(スマホ)や音楽プレイヤーなど生活に必要な什器や家電製品にも「装飾効果(高級感)」や「電導率の向上」「耐久性の向上」のため使用されています。

*** キレイなのは新しい間だけ?…
自動車のパーツなどでは、経年や使用環境・クリーナーの使いすぎでメッキの光沢に偏り(曇りのようなぼやけた感じ)も出てきます。
メッキも永久に効果が持続するわけではなく、汚れを拭ったり収納する際に「小キズ」がついてしまうこともあります。

クルマいじりのお好きな方で「小キズ」を消すつもりでコンパウンドを使用したのに「より大きなキズ」を作ってしまうこともあります。
模型作りなどの経験のある方にはわかると思うのですが「メッキされたパーツ同士などの接着はしづらい」ものです。

メッキも「蒸着(スッパタリング)」や「溶剤」「電気」「化学反応」によるメッキなどいろいろとあります。
その方法によって「溶剤による剥離」「ショットブラストによる剥離」などの手段があります。
クロームメッキでは光沢は無いのですが少しのキズなら「自己補修」のように目立たなくなる特性もあります。

*** 「メッキでバッチリ!!」をいじりたい時もあります…
例えば「プラモデル作り」や「ほんの一部だけいじりたい」という時には「ヤスリがけ」が手っ取り早いのですが、闇雲にヤスリがけしてしまえば母材(基材)にまで影響が出ます。
趣味や一度きりの手直し程度でわざわざ「ショットブラスト」を依頼するまではいかないですよね。

“サンポール”を使用してムリヤリ剥がす(溶かす)方法もあるようですが、使用場面や環境も限られます。
プラスチック材なら「本体をねじる」などしてみれば「ヒビ」などが発生して剥がれるキッカケができる可能性もアリ…。
やっぱり「ショットブラスト」ができるのでしたら、再度塗装やメッキをする際の下処理にも適しているので都合が良いでしょう。

「ヤスリ」「ショットブラスト」などでメッキを剥がすにも加減を間違えないようにすることはモチロン必要です。
何にしても剥がしたメッキ以上に「キレイな仕上げ」をしなければメッキを剥がす意味もありませんけどね…。